採用ブランディングは、AIで経営者の話を整理してから始める
採用ブランディングは、候補者に「この会社で働くとはどういうことか」を伝え、自社に合う人から選ばれるようにする取り組みです。ロゴや採用サイトの見た目から始めると、載せる話が決まらないまま紙面ができます。
採用ブランディングは、見た目より先に、求人票に書けない話を経営者と現場から聞き出すところから始めます。AIを使うと、話の書き起こしの整理と、候補者が聞きたい質問の洗い出しを任せられます。話を聞くことと、記事を書くことは人が行います。
全体の分担は採用にAIを使うときの考え方で扱っています。ここでは、発信の材料を作る手順を扱います。
求人票の条件で差がつかないなら、求人票に書けない話を決める
求人票は、職種や条件を同じ形式で並べる文書です。条件の欄を埋めても、なぜこの事業をしているのか、どんな判断を大事にしているのかは書けません。
公開事例では、求人媒体だけでは他社との差別化が難しいと考えた会社が、社長の考えを記事で発信しました。記事を読んで応募した人が入社しています。別の公開事例では、採用チームが候補者に会社の考え方を伝える材料として記事を使っています。いずれも事例の一覧で読めます。
求人票に書けない話は、たとえば次のようなものです。
- 経営者がこの事業を始めた理由と、今後やらないと決めていること。
- 現場が最近いちばん迷った判断と、そのときの決め方。
- 入社した人が、入社前の想像と違ったと話していること。
見た目を整えるのは、この話が決まったあとです。
AIで質問を洗い出してから取材し、書き起こしの整理も任せる
質問を決める段階と、聞いた話を整理する段階にAIを使います。図1の順に進めます。

- 求人票と自社の採用ページをAIに渡し、候補者が聞きたい質問のうち、今の文章で答えられていないものを挙げさせます。
- その質問をもとに、人が経営者と現場に取材します。
- 書き起こしをAIに渡し、話題ごとの整理と、発言どうしの食い違いの指摘を任せます。
- 人が本文を書きます。AIには構成案と言い換えの案を出させ、使うかどうかは人が決めます。
- 発言は話した本人に読んでもらい、制度の記述は人が原典と見比べてから公開します。
書き起こしを整理する依頼文は、たとえば次の形です。
「次の書き起こしを話題ごとに分け、話題ごとに話し手の発言をそのまま引いてください。発言どうしで食い違う箇所があれば指摘してください。書き起こしにない事実や、話し手の言っていない言い回しを足さないでください。」
候補者が読みたいのはその会社の人の考えなので、AIに本文まで書かせません。AIの文章は、話し手の言葉を一般的な言い方へ置き換えることがあります。
発信する場所は、同じ業界で使われていない場所も候補に入れる
媒体を選ぶ前に、同じ職種の他社がどこで何を発信しているかをAIで一覧にします。公開事例では、同じ業界で使う会社の少ない媒体で発信したことを、依頼した会社が差別化の要素に挙げています。
表1 発信する場所の選び方
| 場所 | 向いている場面 | 見ること |
|---|---|---|
| 記事 | 考え方や経緯を長く伝えたい | 候補者が会員登録なしで読めるか |
| 採用ピッチ資料 | 面談の前に要点を渡したい | 質問の順に答えているか |
| 採用サイト | 職種と制度を一か所にまとめたい | 更新する人が決まっているか |
| 動画 | 話し手の人柄や職場を見せたい | 撮る前に台本の論点が決まっているか |
最初から全部を作りません。候補者に最初に渡すものを決めます。面談の前に渡す資料から始めるなら、採用ピッチ資料の記事の手順を使います。
発信を続けるには、題材と見直す人を先に決める
発信が止まると、候補者が読める材料は増えません。続けるために、次の3つを最初に決めます。
- 題材の出どころ:面談で候補者に聞かれた質問を毎月AIで整理し、答えていないものを次の題材にします。
- 話す人:経営者だけに頼らず、現場の話し手を決めます。
- 見直す人:公開した記事が面談で使われているかを、採用の担当者が見ます。
効果は応募数だけで判断せず、面談で読まれているかを見る
採用ブランディングの効果は、記事を公開してすぐに応募数へ表れるとは限りません。先に見るのは、候補者が面談で記事に触れたか、面談でどの説明を省けたか、です。応募の経路を聞く質問を面談に足せば、社内で記録できます。
スゴスギのAI採用ディレクターは、取材の質問の設計、発信する材料の制作、続ける手順の設計までを担います。役割の範囲は戦略・設計・コンテンツ・運用の設計です。まず、経営者に聞きたい質問をAIと一緒に書き出します。